Macrophage II の日記

ヨット(BW-33)のレストア記録を中心にした独り言

2022-01-01から1年間の記事一覧

チーク製コックピット再生 その5

チークにガラスとは野蛮人のすることで、普通にチークの材木を購入して、傷んだ板と同じサイズにカットして取り替えればよかったのでは、と思われるかもしれない。 当然、そのような工法も考えた。 ところが、2メートル近い1本もののチーク板など売ってな…

チーク製コックピット再生 その4

チークは腐らないというが、さすがに20年放置したら傷みがひどかった。 チーククリーナーはいろいろ売られているが、2液性のものを使うと楽ではある。 そして確実ににきれいになる。 米国の某社が売ってる二液クリーナー&ブライトナーの性能表をみてみると…

チーク製コックピット再生 その3

ちなみにFRPによるヨットの大量生産を始めたリンフォースが最初に市場投入したのは、21フィートとか24フィートの小型艇であった。 なかでもBW-21は、正確な数字は覚えていないが、200杯とか300杯とか、すくなくとも3桁の今の時代には考えられない記録的なセ…

チーク製コックピット再生 その2

チークが美しいのは、完璧に手入れがされた状態のときのみだ。 それを紫外線があたる船外で維持するのは極めて困難だと思う。 なので、プラスチックのほうがメンテだけをいうならベストだろう。 本来、デッキまわりのチークはオイルで仕上げるべきだと思う。…

チーク製コックピット再生 その1

私が仮に新しくヨットを建造するなら、すくなくとも船外はすべてプラスチックにすると思う。 手間がかかりすぎる。 (20年ほっといた人間の言えることではないが、、、) コックピットのチーク材朽ち果てていた!2017年4月

エンジン計器パネル修理 その4

ヤンマーはすごいメーカーだと思う。 この年代のエンジンであっても、基本的に部品の入手で困ることがほぼないと言って良い。 汎用部品と言えばそのとおりであるが、回転計もキースイッチも新品でしかもリーズナブルな価格で入手できた。 ちなみにパネル自体…

エンジン計器パネル修理 その3

船体の塗装でも同じ理屈だろうが、下地が悪いと仕上がりに問題がでる。 新しい樹脂を成形し研磨していく段階においてはそこそこに綺麗に仕上がっているとおもっていたが、サーフェーサーを拭いてみると、残念な仕上がりが明確になった。 巣穴ができているの…

エンジン計器パネル修理 その2

形あるもの全て壊れると言われるが、壊れたらどうなるのか? 壊れたものの多くは、がんばればかなりのものはレストアできる、ということを信じてとりくまないとレストアはできない。 しかし何事も不可逆性というのはあると思う。 例えばであるが、ポリエステ…

エンジン計器パネル修理 その1

エンジンを乗せても、それだけでは復活できない。 バッテリーも含む電気系統の再設定、さらにシャフトやプロペラの再調整などが必要だ。 そもそも計器パネルが割れていて、キースイッチも欠損していた。 計器パネルは、コックピットの前方の壁に設置してある…

エンジン再設置 その3

そして2019年10月、ついにエンジンが船体に戻ってきた!! 中野さんをはじめマリンピアのスタッフの皆さん、エンジン直してくれた木下さんに感謝 クレーンで吊り上げたエンジンを、コンパニオンウェイ(キャビンの入り口)から船内へ下ろしているところ コッ…

エンジン再設置 その2

Macrophage IIのエンジンは、ヤンマー3GM30(24ps/3400rpm)という型のディーゼルエンジンである。 このエンジンがいつ製造されたのかは不明である。 以前、別府におかれていたHIRO (花本オーナー)が、山崎ヨットで艇を新造されたときに載せたエンジンだと…

エンジン再設置 その1

2019年夏、ハルの塗装が終わった。 この時点で2019年のセーリングシーズンは後半、むしろ終わりにちかづいていた。 この段階で、2019年に再進水式を行うのは絶望的だった。 というのが、まだエンジンものってないし、マストも外したままなのだ。 エンジンは…

ハル(船体)塗装 その12  

プロのアドバイスで再開されたパテ埋めは、船体の全域におよんだ。 まるでパテで塗装したかのような状態となった。 本来は、パテは塗装の下にあるべきなのだが、結果的には新しく塗ったウレタンの上にパテをうっているわけである。 塗る前には目立たなかった…

ハル(船体)塗装 その11  

せっかく仕上げたつもりでいた船体だったが、やはり極々小さく浅いとはいえ、一面に巣穴があるかぎり、本来でるべきはずの美しさはでないだろう。 やり直すことにした。 今時ネットでなんでも買えてしまうので、同じパテを購入できた。 やはり、微妙なねばり…

ハル(船体)塗装 その10 (プロのダメ出し!) 

ハルの塗装を終えた(つもりでいた)ので、同時にいろいろな作業を進めていたある日のことだった。 マリーナの船舶塗装を請け負っている業者さんの社長(プロ)が、Macrophage II の作業を覗きに来られた。あの鏡面仕上げのような塗装をしている会社の社長だ…

ハル(船体)塗装 その9 

欧米ではボート整備やレストアが盛んなようだ。 100年前の木造艇を新艇のようにピカピカにしてたりする。 ウレタン塗料などを、ローラーで伸ばした直後に軽く刷毛で整える方法 (roll and tip) が、動画サイトなどでを紹介されている。 Roll and Tipでは、ロ…

ハル(船体)塗装 その8 

1液性シリコン系塗料には大変興味があった。 インターナショナルのそれは、仕上がりがきれいという話もでていたし、シリコン系塗料は耐久性においても優れているとされる。 今回試してみたシリコン塗料は、油性であるが、将来的には水性の塗料も出てくるの…

ハル(船体)塗装 その7

と同時に、塗料の選定にはいった。 ゲルコートと違って塗料にはいろいろな種類がある。 耐久性を考えて、定評のあるInternational製の1液性シリコン系塗料か、2液性のウレタンで悩んだ。 どちらもウェブでは高評価であった。 1液シリコンは、塗りにくい、…

ハル(船体)塗装 その6

巣穴の原因はわからないが、最初からウレタンの硬化不良や下地との反応があったのだろうと想像している。 この解決策としては、1)ゲルコートまで剥がす、2)穴をうめる、3)気にしない、の3つだと思った。 ゲルコートまで剥がすのが一番良いのは百も承…

ハル(船体)塗装 その5

ここで本題であるアマチュア(私)の話にもどる。 プロのような仕事が無理なのことに気がつくまで、そう長い時間はかからなかった。 下地がきれいでないと、塗装面がきれいに仕上がらないことくらいは聞いていたので、とりええず船体の表面をツルツルにする…

ハル(船体)塗装 その4 (プロのお仕事)

プロの職人さんは、数週間もの間いったい何をしていたのか?船体(下地)を整えていたのだ。下地をつくるには、プロでも相当な時間がかかるということだろうが、逆にプロだからこそ、そこに時間をかけているとも言えるのだろう。 驚いたのは、ある日の午前中…

ハル(船体)塗装 その3 (プロのお仕事)

プロとアマチュアの違いは何か? 私自身は、ある特定の分野でプロとして生計をたてているので、特にそう思うのかもしれないが、アマチュアがプロを超えることはないと断言できる。 アマチュアは、プロが絶対しないことを平気でやるし、やっかいなことに、そ…

ハル(船体)塗装 その2

ハルの塗装を始めたのが、2019年4月。 それまでの約1年は、船底につきっきりだったので、かなり疲れが出ていたように思う。 早く船体塗って、船を下ろしたいという気持ちが先行していた。 辿り着いたのは、適当に塗って下そう、という計画であった。 実は、…

ハル(船体)塗装 その1

船底が終わったら、次はハルの塗装に入った。 グレーにちかい白のウレタン、サーフェーサー、ゲルコートの順にでてきた。 トランサム。すこしサンディングしたところ。 トランサムのエッジにある多数の欠損 実験的にポリパテをいれてみたが、ろくな下地がで…

船底ゲルコートのリセット その5

ゲルコートは塗料とは異なり、薄くぬるべきではないというが、厚く塗りすぎると、でこぼこが目立つ。 硬化剤の混ぜ方によって、硬化時間が変わる。 いったん硬化が始まると止められないので、いっきに塗るしかなくなる。 とてもデリケートなのだ。 はけ塗り…

船底ゲルコートのリセット その4

キールについても、ゲルコートで仕上げることにした。 もともと補修がされていて、鉄製のキールの上に、ガラス入り樹脂( FRP)、そのうえに、パテで仕上げてあったが、ゲルコートはなかった。 いろいろなところでガラスが剥離していた。剥離したから錆びたの…

船底ゲルコートのリセット その3

船底のリセットは、きれいに船底をゲルコートまで剥がし、そのあと新しいゲルコート(トップコート)を塗る、という単純な話なのだ。 千利休は、茶の湯について、「茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし」と語ったというが、1年に…

船底ゲルコートのリセット その2

ゲルコートにはいった無数の無秩序なヘアラインのようなヒビ。 おそらく、下のガラス入りのポリエステル樹脂(いわゆるFRP)とゲルコートの熱あるいは冷気下での収縮に差があって、長い間、熱やら寒さやらに耐えている間に入ったのだろう。 英語では、spider …

船底ゲルコートのリセット その1

これまでのストーリーだけだと、ずっと内装をやっていたかのような印象があるが、実はそうではない。 複数のプロジェクトが同時進行しているわけで、実際、最初にとりかかった大きなプロジェクトは船底のゲルコートのリセットであろう。 FRPは、何年もつのか…

トイレのリノベーション

いまのマリントイレは、たしかこの艇を最初に手に入れて、まっさきに取り替えた部品のひとつだ。かれこれ、25年ほど前だ。 たしか、ウエストマリンで購入して、船便でおっくってもらった。 (最近は、ついに”船便”もなくなったようだ。) 当時、ファックスで…