プロのアドバイスで再開されたパテ埋めは、船体の全域におよんだ。
まるでパテで塗装したかのような状態となった。
本来は、パテは塗装の下にあるべきなのだが、結果的には新しく塗ったウレタンの上にパテをうっているわけである。
塗る前には目立たなかった巣穴などが、色をいれたことによって、目立つことはあるそうで、塗装の上からパテで修正というのは、必ずしも禁じ手ではないようだ。
実際、プロが仕上げた鏡面仕上げの塗装の際にも、それが行われることは、プロの工程の一部を観察させていただいたので、知っていたといえば知っていた。
書くのは簡単なのだが、たった10メートルしかない船体であっても、正直、パテをうって、その後再び船体全体をナメるように研磨していく作業を続けるのは、普段使わない精神力が必要だった。
2019年夏、マリーナからはヨットが出港していく。
レストアを始めて2年経過し、ヨットは”乗りもの”ではない、”塗りもの”だ、、、と言い聞かせながらこの地味な作業に打ち込んだ。