朝9時に出港したMacrophage IIは、快走した。
船底塗料は塗りたて、プロペラも磨きたてだ。
レースのあとにギアケース整備とカトラスベアリング交換があるのでシャフトとプロペラを抜くことになっていた。
なのでプロペラには後で簡単に落とせるように船底塗料を極薄くぬってもらっていた。
綺麗なプロペラでエンジンを回転させると2300回転付近で6ノット弱をキープできる。
船体、エンジン、プロペラの性能のチェックもあり徐々に回転をあげる。
3000rpm付近で7ノット前後、3300rpmまであげると7.2ノットとか、瞬間7.5ノットとか安定して7ノットを超える。
理論上のハルスピードがどの程度なの分からないが、これくらいが限界なのだろう。
50歳のMacrophage IIが悲鳴を上げる前に、2300 rpmまで落とす。
老体に鞭打って走るより、燃費も考えてゆっくり行くことを選ぶ。
有難いことに、別府の”花子 II”のオーナー、キャプテンGさんが、佐伯までの回航は並走しようと言ってくださっていた。
ヨットが船団を組むのは、お互いライフラフトがついて回ってるようなもので安全面ではとても良いことだと思う。
Macrophage IIは、2時間遅れの出発だが、花子もまた出発が遅れてしまったとの連絡がある。
別府湾を右手にみながら豊後水道を南下するが、他のヨットを双眼鏡でみても目視できない。
どうやら、もっとも難所である”関”(佐賀関)をかわすのは、Macrophage II 単独になりそうだ。