Macrophage II の日記

ヨット(BW-33)のレストア記録を中心にした独り言

宇和島パールカップ 波に翻弄された帰路編

レース翌日の早朝に帰路についた。

若干でおくれて8時15分の出港。

豊予海峡(速水瀬戸)の潮は午前中連れ潮で、正午ごろ潮止まり、その後、逆潮になる。

なので、ほとんどの艇はすでに出港していた。

そして誰もいなくなった。。 向かいの桟橋には1艇もいない。

残ってる艇は、もう1泊するのかもしれない。

予定では、ぎりぎり潮止まりまでには佐田岬を通過できるだろう。

予報は雨、そして実際に雨。

低気圧が通過し、温暖前線の中を通過するのが分かっていたのだが、仕方ない。

結局、往復ともカッパ着込んだ回航になった。

GPS用の電池は水滴がはいらないように念の為ラップ

 

途中あまりに暇なので、GPSの配線を再結束。

空腹だと酔うので食べる

食べ続ける、、、 (水羊羹)

そうこうしていると佐田岬がちかづき、次第に風と波が強くなってきた。

すこしでも艇速あげないと岬をこえられない。

機帆走で、ぶんぶん7ノットで走れるだけ走る。

東風をうけて回走中 7ノットキープ

 

その時点で、岬で大波が待ち受けているともしらず、進んでいくのだった。

視界がわるく佐田岬の手前でも高島を目視できない。

高島の北東では、南流と南風がぶつかりあい、白波をたてている。

南流とは南に向かう潮、南風とは南から吹くかぜ、つまり潮と風の向きが逆なので、ぶつかりあうと大きな波をつくってしまう。

地元の漁船が、潮の間を縫うように走り抜けていった。

Macrophage IIも潮目をさけて北上しようとしたが、南流につかまってしまった。

あれよあれよという間に、連続的に押し寄せる白波のほうに吸い込まれていく。

セオリーどおりだと、波に向かって進むべきなのだろうが、帰れなくなるので当て舵をいれながら耐え忍ぶのだが、艇速は1.5~2ノットしかでない。

そのうち、横っ腹(左舷)に白波があたったと思ったと同時に二発目がハルを直撃した。

船体は大きく傾いて、振り子のようにふりまわるが、その波長と同期するように、大きな波がフリーボードを超えてコックピットに入ってきたのだ。

ライフジャケットとハーネスをつけていて正解だった。

この状態だとその場でフリーズするしかなく、キャビンに入るのも無理だし、ましてハーネスを悠長につけている余裕はない。

ガチャ〜〜んという音がする。激しいローリングでキャビンの中のいろいろなものが飛んでいる。

チャートテーブルの下には、各種のボルトや、ブロックなど、金属系の部品の予備がたくさん入っているのだが、引き出しがはずれて、それが散乱している。

前日のレースでは、軽い船が速くていいなあとも思ったが、艇は潮流と風と波に翻弄されながらも、最後はバラストが効いてきて艇はしっかり復元してくれた。

飛び出した引き出し

引き出しは、ショックコードで飛び出さないようにしているのだが、今回油断してロックしていなかったのだ。反省。

岬をまわると、視界はとても悪いが、マリーナまでは17マイル。

行きも帰りも雨と霧で快適な回航ではなかったが、久しぶりのクルージングを満喫できた。

また来年も参戦したい。