Macrophage II の日記

ヨット(BW-33)のレストア記録を中心にした独り言

ニス塗りに思う

ニスぬりは時間がかかる。

以前、岡崎造船で製造された木製のパイオニア10(だったと思う)のオーナーさんが、週末のほとんどはニス塗り、天気が良い日はニス塗り、雨がふったらニス塗り、と冗談を言われていたのを思い出す。

Macrophage IIの木部は、いまどきの船にくらべたら、木部は多いほうだと思うが、純木造艇と比較すると少ないほうだ。

それでもニスを塗る作業は大変だ。

 

20年以上まえの話だが、サンフランシスコ湾で26フィートで遊んでいた。

当時、クルージングのクラブがあって誘われて入会した。

大小様々な艇が、週末などに、どこかの泊地までクルーズして、夜は飲み会というのが定番の遊び方だった。

ある日、川上りクルーズに参加した。川の上流に船だまりがあって、そこにみんなで停泊したのだが、我々がいってみると最後の入港であった。

こっちにつけろ、と手をふって合図をしてくれる大型艇がある。

100年ちかくたった純木造艇で、ボートショーにもでるような艇だ。

数人の女性グループで所有していて、びっくりするほどピカピカに整備されている。

ニスもそうだが、艤装品もふくめて、新艇のように美しい。

このレベルだと、工業製品というより、美術品にちかい。

そこの横腹につけろ、というのである。

正直、びびった。フェンダーをつけてはみたものの、ガリガリ〜とかやれば、この木造艇に傷がつく。。

しかし、オーナーさんは、なにも気にしていない。

横抱きさせてもらったあと、私が、”傷つけなくてよかった〜”というと、”傷がつくなんてあたりまえで、まったく問題ない、もし傷がはいったらまた塗ればよいのよ”と、返された。

おそらくプロのメンテなのだろうが、、そういう気持ちでいないとできないのだろう。