カズワンには救命筏が載ってなかった。
カズワンの航行区域は、報告書をみるかぎり限定沿海のようだ。
であれば、現在の小型船舶検査で筏までは要求されていない。
事故の後、ある番組で、救命筏があったら助かったかも、と報道された。
試しに膨らませた筏に、女性レポーターが乗るという企画だったようだ。
メーカーの試験設備だろうか、キャニスター(コンテナ)に入った救命筏がプールに投入された。
しかし、そこで画像がとだえ、肝心の膨張シーンがなかった。
その後、女性レポーターが筏に乗り込むシーンがでてきたので、私はある事象がおきたのではないかと疑っている。
180度ひっくり帰って上下さかさまで膨張したのではないか?
筏が開いたときひっくり変えるのは、割とありがちなパターンらしい。
荒れた海で筏を開いてみたら上下逆さまだと、肉体のみならず精神的にもかなりきついと思う。
小型船舶で、救命筏をのせているひとは少ない。
理由は簡単で、高い、重い、置き場がない、からだ。
Macrophage IIには、検査ぎれの筏がある。
今回の検査では、おろした。検査ぎれの筏は、おろせと言われるらしい。
筏の整備と検査だけで、30から40万円必要である。
そしてこれが馬鹿みたいに重たい。
約40kgある。
私ひとりで持ち上げるのは困難で、マリーナの男性スタッフと二人がかりでヒーヒーいいながら持ち上げた。
実は40kgは軽いほうで、最新の筏は、軽いものでも、60kgあるのだ。
そうなると、私ひとりで持ち上げて海に放り込むのは不可能だろう。
海外の製品では、プレジャーボート用で、すくなくとも日本製より軽い製品がある。
しかし、筏もまた、規制がきびしくて、海外の製品を使用することができない。
日本は、もともと製品の小型化とか軽量化が得意だったはずだ。
是非とも、女性や子供でも持ち上げられて、開いてもひっくりかえらない画期的な筏を創出してほしい。