Macrophage II の日記

ヨット(BW-33)のレストア記録を中心にした独り言

番外編 カズワン沈没に想うこと その8 救命筏

カズワンには救命筏が載ってなかった。

カズワンの航行区域は、報告書をみるかぎり限定沿海のようだ。

であれば、現在の小型船舶検査で筏までは要求されていない。

事故の後、ある番組で、救命筏があったら助かったかも、と報道された。

試しに膨らませた筏に、女性レポーターが乗るという企画だったようだ。

メーカーの試験設備だろうか、キャニスター(コンテナ)に入った救命筏がプールに投入された。

しかし、そこで画像がとだえ、肝心の膨張シーンがなかった。

その後、女性レポーターが筏に乗り込むシーンがでてきたので、私はある事象がおきたのではないかと疑っている。

180度ひっくり帰って上下さかさまで膨張したのではないか? 

筏が開いたときひっくり変えるのは、割とありがちなパターンらしい。

荒れた海で筏を開いてみたら上下逆さまだと、肉体のみならず精神的にもかなりきついと思う。

 

小型船舶で、救命筏をのせているひとは少ない。

理由は簡単で、高い、重い、置き場がない、からだ。

 

Macrophage IIには、検査ぎれの筏がある。

今回の検査では、おろした。検査ぎれの筏は、おろせと言われるらしい。

筏の整備と検査だけで、30から40万円必要である。

そしてこれが馬鹿みたいに重たい。

約40kgある。

私ひとりで持ち上げるのは困難で、マリーナの男性スタッフと二人がかりでヒーヒーいいながら持ち上げた。

実は40kgは軽いほうで、最新の筏は、軽いものでも、60kgあるのだ。

そうなると、私ひとりで持ち上げて海に放り込むのは不可能だろう。

海外の製品では、プレジャーボート用で、すくなくとも日本製より軽い製品がある。

しかし、筏もまた、規制がきびしくて、海外の製品を使用することができない。

日本は、もともと製品の小型化とか軽量化が得意だったはずだ。

是非とも、女性や子供でも持ち上げられて、開いてもひっくりかえらない画期的な筏を創出してほしい。