救助には、多くの関係者が関わり、多額の費用が必要になる。お金の話だけでなく、ボランティアのみなさんの時間もそうだ。
なので、まずは、沈まないことだ。
当たり前だが、船は沈みにくい設計のほうがよい。
私がヨットを始めたころは、ヨットは、転覆しても起き上がるので、安全だと言われていた。
しかし、ヨットも転覆する。
過去の大きな事故としては、たか号の遭難がある。
たか号は、グアムレースへ向かう途中で転覆した。
船内で死亡された方を除く全員がいったんはライフラフトに乗り込んだが、遭難の通報がうまくいかず、なかなか発見されず、救助が大幅に遅れた。
結果、1名を除く全員が死亡したという惨事だ。
その犠牲者にひとりに武市俊氏がいる。Macrophage II の設計者だ。
想像でいうべきことではないかもしれないが、復元力の高いBW-33だったら死なずに済んだかもと思う。
たか号は、EPIRBという、人工衛星をつかった救命信号発信装置をのせていたが、バッテリーの設定ができておらず、発信にいたらなかった。
このEPIRB は、アメリカの画期的技術だが、日本の小型船舶では普及にいたらない。
アメリカでは、個人用のEPIRBともいえるPLB (Personal Locator Beacon)も含めて、数百ドルで売られていていて、登録だけで免許は不要!
最近、PLBに関しては、日本でも、若干の価格上乗せくらいで販売するディーラーが出現した。規制の壁があり、どうしても価格が少し高くなるのだろうが、良心的だと思う。
(実は、買おうと思っている。)
米国では、さらに、人工衛星を介した二方向携帯通信端末も販売されており、サブスクリプションでのサービスを購入すると、(厳密には国内では使えないのかもしれないが)、世界中どこからでもメールが打てて、緊急時にも救助要請ができるようになっている。
機械の値段はEPIRBより安い。
このたぐいの技術は、すべて米国のイノベーション。。。
良いのはわかっているが、国内の規制(邪魔?)により、普及が遅れるという図式は、30年近く変わらない。
個人的意見をいえば、日本の電波行政は、米国にアウトソーシングしたほうがよい。
FCCがオッケーした機種であれば、登録だけでよい、としても誰も困らない。
こまるのは、某省と管轄の公益法人だけだろう。
そして、最終的に船を放棄して、船外に飛び込むにしても、