最近、Space XのSTARLINKのことを書いたが、アマゾンも対抗してProject Kuiperなる衛星経由の高速インターネットサービスをはじめるらしい。
STARLINKはすでに4000基の衛星を打ち上げていて、全地球規模で高速インターネット接続を可能としているが、Project Kuiperもこれから6年で3200基以上を打ち上げるそうだ。
健全な競走は、マーケットを拡大しながら価格をさげていくはずなので、大変結構なことだと思う。
なぜこの話題が気になっているかというと、ヨットでの通信のあり方を根本から覆すほどのインパクトを感じるからだ。
世界中で衛星通信が可能となれば、VHF以外の選択肢での緊急信号発信の在り方として必ず世界標準になると思う。
悲しいかな、この分野では日本には全く期待できないので、アメリカに頑張ってほしいと思う。早く世界を変えてほしい。
日本のがんじがらめの電波行政では、Marine VHF (日本でいう国際VHF)がこの世から消えるまで、米国が何十年も前に緩和した規制(免許制度)の撤廃すら起こらないだろう。
総務省の外郭団体である日本無○協会が、国家試験受験料の支払い方法にクレジットカードを支えるようにしたのが令和4年で、それは画期的出来事だっだ。
なんといっても旧郵政省の流れなので長年郵便為替だったのだろう。
この変化のスピードを見てみると、下手すると世の中からVHFというシステムが消失しても国の規制はつづくのかもしれない。。。
アメリカのように誰もが手軽に無線が使えないかぎり、普及はありえないので、我が国で漁船やプレジャーボートの緊急連絡の手段としてVHFが第一選択となる日は来ないと思う。
一方で世界の市場に出回っている無線機の大部分は日本製だったりするのは、皮肉な話だ。
メーカーが圧力をかけてくれてもよさそうなのだが、米国と比較すると規模が小さすぎて日本市場そのものに魅力がないのだろう。
こと緊急信号については、アメリカではVHF以外でいうと、EPIRB、PLBが王道なのだろうが、最近気が付いたのだが、すでに中国メーカーがEPIRB製造に乗り出していて、どこよりも安いものを販売している。
日本製のEPIRBは、日本の規制で守られているのか、果たして邪魔されているのか分からないが、とても高価だ。普及するはずがない。
最近、PLBについては、日本の一部の業者さんががんばってくれたのか、割と海外の価格と競走できる範囲で販売してくれるようになった。
一方で、PLB以外にも、通信手段がないわけではない。
昔からあるイリジウムを使ったシステムだ。例えば、GARMIN InReach Mini。
これもまた、すごいシステムで、GPSでの位置情報をトラッキングし、情報をイリジウム衛星経由で共有できる。そして、SOSを衛星経由で発信できるのだ。
お守りとしては申し分ないと思いGARMIN InReach Miniを買う寸前だった。
そこで、STARLINKの話がでてきたので、だったら最初からSTARLINKだなと思った。
それにProject Kuiperが出てきて、話がややこしくなったのだが、同時にとんでもない事実を知ってしまった。
中国版GPSである北斗は、基本的には位置情報を得るためのシステムなのだが、なんと最初から北斗ユーザー間でのショートメッセージや、SOS発信ができるというのだ。
すでに中国のスマホには標準でついてるらしい。それまさに私が欲しいもの!
北斗関連の市場は9兆円、衛星の数も40を超えていて、米国のGPSのそれより多いという。
おそるべし。。。