まさか魚が釣れるとは思ってなかったので、かなり慌ててしまった。
ちなみに、タコベイトだが、値段が高いのと安いのがあって、どちらも仕掛けていたのだが、二匹吊り上げたシイラは、ひとつは安物に、もう一つは高めのほうにかかっていた。
ただ共通なのは、ベイトの色。薄い緑色のベイトに食いついていた。偶然かもしれないが、どうなのだろう。
最初の一匹がかかったとき、逃がすべきかキープすべきか分からなかった。
40cmほどのシイラ。食べられるのか?
プロ級の釣り師の友、Nさんに電話した。
食べられるらしいが、締め方が分からない。
とりあえず氷の中にいれておけという。
氷なんてない!!
とりあえずビニール袋にいれて、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、と唱えながら冷蔵庫に放り込んだ。
梨を冷やすためだけに電源をいれていた。内部は摂氏2度だ。
この時ほど、冷蔵庫がありがたいと思ったことはない。
この冷たい箱の中で、命を断つわけだ、、、ちょっと可哀想だが、、、
とにかくデッキが汚れてしまったので、アルコールワイプで拭き取る。
試運転モードなので、横着してチークのすのこを外したままだったのはラッキーだった。
電話口でNさんは刺身がおいしいというが、寄生虫(アニサキス)がいて、日曜日の夜に救急車は嫌だなあ。
あの世へ旅たったシイラをギャレーにもちこみ、腹をさいて内臓をとりだした。
アニサキスはいなかった。
血合いを洗ったら、狭いシンクが大変なことになった。
Macrophage IIには、ギャレーに海水を引き込んでいる。
海水は無限につかえるので、じゃばじゃば魚の腹を洗う。
ついでにシンクも洗う。
清水しかないギャレーだと持ち込むのも躊躇するところだろう。
とりあえず帰ろうということで、船をマリーナへ向ける。
汚れた釣り道具を綺麗にするために再びラインを海にいれて走ってたのだが、なんと二匹めが釣れている!
今度は手際よくと思うが、結局、デッキが血塗れになった。
再び、今度は生きたままのシイラをギャレーに連れ込み、エラを一撃。
血抜き成功、お腹もきれいにして、冷蔵庫へ。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、、、
家に持ち帰ったシイラだが、釣った直後の輝きを失い、若干グロテスクな様相に変わっている。足が速い魚といわれるが、すくなくとも見た目はそうだなと思う。
鱗の取り方が分からないが、本当に小さな粉の鱗がついていて、粘液に覆われている。
ペットボトルの蓋でゴシゴシ鱗をおとしていく。
3枚におろしフィレが4枚できたが、これが素人仕事で、刺身にはできないレベル。
皮をとろうとするがうまくいかない。
早々に諦めて、大好物のムニエルにしようと思うが、小麦粉がない!
仕方ない、バター焼きにしようするとバターもない。
そして、消極的な理由からマーガリン焼きができがったのだった。
出てきたアラは煮付けにした。
これが、昨日の夕飯。
マーガリン焼きもアラ煮も美味だった。
自分で釣ったからという気持ちのせいではないと思う。
シイラは本当に美味しい魚だ。
そして海の中ではキラキラしてとても美しい魚だと思う。
魚釣りは大変だった。
釣るまでの準備、釣った後の船の片付け、魚の処理、調理、そして臭くなった服の洗濯、、、夕食が出来上がったときにはヘロヘロになっていたのだ。
なので速報には、詳細な顛末をかけなかった。
海上ではプロの漁師とよくすれ違うが、彼らのおかげで美味しい魚がたべられるんだなと実感した。
ほんと感謝だなと思う。