実は、出港直後、機走しながら仕掛けは流していた。
これまでも何度も遊びでトローリングを試みたことはあったが、魚がかかったことはなかった。
今回も関をかわして帆走に切り替えるまでなんのヒットもなかったのだが、エンジンをきって3ノットくらいでゆっくりと音もなく走り出したとたんにシイラがかかった。
そういえば、先々週にシイラがつれた時も帆走中だった。
ひょっとしたら、魚はエンジンの音がきらいなのかもしれない。
あるいは、7ノットごえの機走だと魚がおいつけないのか。
いずれにせよ、シイラをつるにはゆっくりセーリングしながら仕掛けを流した方がよいのだろう。
しかし、シイラは釣り上げると相当暴れる。
血抜きしようとしたら、デッキが殺人現場のようになってしまった。
しかも服が汚れた。
いったん、エラを切ったあと、かるく海にもどしてシイラを洗った。
シイラ自体はきれいになったが、この状態で離島でシイラ料理をつくる元気はなかった。
無垢島まで数マイルという時点で、佐賀関に引き返すことにした。
遊んでいたので、海峡の潮は、ふたたび逆潮になってしまった。
それでも、佐賀関にいけば、コンビニで氷も買えるし、清水もなんとかなるだろう。
若干だがシケてきたのも行き先変更の理由だ。
次の日は、絶対にもどらないといけないので、無垢島で足止めをくらうと大変なのだ。