Macrophage IIのギャレーは、メインキャビンの右舷後方にある。
巨大とは言わないが、それなりに大きなステンレス製アイスボックスが付いている。
ステンレスは二重構造になっていて、隙間に発泡ウレタンが充填してある。
熱を遮断する能力はどうかというと、かなり疑問ではある。
まず、かなり大きいスペースなので、氷でそれなりに充填しようとすると、どうだろう3貫はないと難しいかと思う。
ちなみに3貫いれたことはないが、1貫だと、1日、よくて約2日でほぼ溶けてしまう。
問題は、氷である。最近、氷屋さんがない。あっても遠い。
コンビニの氷は高い。
船のアイスボックスをコンビニの氷で充填するとなると、結構な金額になりそう。
あと、氷が溶けたあとの水は、アイスボックスに残すより、排出したほうが良いとどこかで読んだ記憶がある。
たしかに、アイスボックスの中の氷は、とけたら排出されて、ビルジだまりへいくようになっている。
ところが、BW-33のビルジは床下の浅く広いスペースにたまるようになっていて、そこには例え綺麗な水であっても入ってくると鬱陶しい。
BW-33の設計者である武市俊氏の著書(走れ!サンバード 太平洋シングルハンド・レース 6500浬の記録 武市俊 著 舵社・天然社)によれば、氏は、太平洋横断時には、アイスボックスにドライアイスを詰め込んで、食品を冷凍させている。
そうか、ドライアイスなら、”ドライ”だし、アイスクリームもつめる! 冷凍食品もつめる! と喜びたいところだが、そのためだけに、このスペースをドライアイスで埋めるのはコストパフォーマンスが悪すぎる。
結果、飲料水用6リットルポリタンクの水を冷凍庫で凍らせて、保冷剤がわりにしてみた。
すると、たしかに物は冷えるし、溶けた水はタンクから出ることないので、キャビンもドライなままだし、いいことづくめなのだが、今度は、せっかくの飲料水が凍っているので飲みたい時に飲めない!
そうこうしているうちに、冷蔵庫を買ってしまったので、そもそもアイスボックスが本当にいるのかと、21フィートに乗って暑さに耐えていたころをすっかり忘れて、贅沢な悩みをかかえるようになった。
内装の話からずれてしまったが、アイスボックスもまた錆だらけだったという話のイントロでした。
アイスボックスをひたすら磨いてみたら、まあ許容範囲の見た目になった。