前日の夜の会議のせいでの寝不足と出港前の興奮が混じり合い、頭がぼーっとしていた。
朝5時すぎに家をでたのはよいが、高速にのってすぐ、財布とパソコンをいれたバッグを忘れているのに気が着いた。
大分インターチェンジから別府インターまでは、いっさいUターンする場所はない。
泣く泣く、別府から引き返し、再び大分インターから国東へ向かった。
ひと気のない桟橋でバタバタと燃料と清水を補充し、出港できたのは予定より2時間遅れの午前9時だった。
急がねば、とあせる。早吸瀬戸(九州側の佐賀関と、四国側佐田岬の間)の潮が変わる。
逆潮だといくらエンジンを全速で回したところで”関”(この海域の通称)を越せなくなるのだ。